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八乙女光くんを応援しています

薔薇と白鳥③ 6月7日ソワレ

 

最初に、今回のブログではストーリーのネタバレも含むので、これ以上読み進める方はお気を付け下さい。

 

 

マーロウの命日である5月30日のマチネを見てから約1週間…昨日は、私的3公演目のバラハクを観劇してきました。

 

ひかぺ以降、光くんのお芝居はどんな風に変化しているんだろう?!しかも2公演ある日の夜公演だから、コンディション的には疲労困憊のはずだけど、その中でどんなマーロウを観せてくれるだろう?!

と緊張しながらグローブ座に着きました。

 

いきなりプチ自慢すると、昨日は本当に人生に一度経験できるかどうかという、これ以上ない神席でした。

 

最前列のド真ん中。

 

…いや、そんな言い方じゃ生ぬるい。

もう私にとっては正に「センター・オブ・ジ・アース」でした。

 

本当に、マジでマジで本気で真剣で近い。

 

プチ自慢っていうか、既に私の人生における最大級の自慢になってますけど、目の前で、0ズレで自担のお芝居を観れるって、もうもうもう、あまりの興奮に、観劇中、マーロウより先に私が死ぬんじゃないかとヒヤヒヤしました。(でもマーロウが死因ならそれも本望)

 

光くんの大きくて美しい手の手相まで見えたし、実は左手の人差し指に絆創膏を付けていたのも見えたし、キャスト皆さんのつばきも汗も漏れなく見えたし、劇中に出てくるマーロウが書いた台本は青ペンで筆記体が綴られているのも確認できました。

 

そして何より、私が大好きな、光くんの「表情のお芝居」の本当に細部の細部までじっくり観る事が出来て、それが最高に、もう最高にめちゃくちゃに幸せでした!

 

映像作品なら、見せたい表情がピンポイントでドーンとアップになったりしますが、舞台はそうじゃない。

台詞を喋っていてもアップにはならないし、どんなに端っこにいても、舞台上では、その役の気持ちで表情を作っていないといけない。

光くんの表情のお芝居が大好きだからこそ、舞台って本当に贅沢だと思うんです。

舞台上にいる限り、光くんの演じる役の表情を観察できるから。

と同時に、ここではどんな顔してるんだろう?って自分の座席からは見えなくて、死角になってる時は、ものすごくもったいないことをしている気持ちにもなりますけどね。

 

今回の舞台は圧倒的な台詞量に注目されがちですが、ぜひマーロウの表情の細かい変化にも着目しながら味わってほしいです!(いや、言われなくても、このブログを読んでる方なら既に充分着目してますよね…笑)

 

というわけで、全35公演の11公演目、約1/3の公演が終わったので、今日はストーリーに関してもつらつらと感想を書いていきます。

 

まず、この物語の発端。マーロウが悪党達に偽金製造機を入手させ、その偽金製造機の購入代金を、その偽金製造機で作った偽金で支払ったのがバレて追われている場面。

ここでは、マーロウの調子の良いペテン師具合、それに呆れながらも手助けしてくれるジョーンとネッドの掛け合いから、この3人の関係性が良くわかります。

悪党達がネッドが人気俳優のエドワード・アレンだと知って興奮してる隙に、マーロウをこっそり窓から逃がそうとするジョーン。

マーロウが、悪党達に払うお金を貸してくれと頼むと「既にたくさん貸しているからもうこれ以上はダメだ」と断るネッドの台詞からは、ネッドもなんやかんや過去にはマーロウを結構助けてあげてるんだなっていうことが分かって、マーロウはめちゃくちゃな人っぽいけど、つい手を貸してしまうような憎めない人物なんだろうな、と思わせます。

そういえば、マーロウが最後に書き上げた戯曲「エドワード2世」を、最終的に託すのもネッドだし、実はネッドとマーロウは心の奥では信頼関係がきっとあるんだろうな。

ネッドでなければ、マーロウはジョーンの結婚も許してないのかもしれませんね。

そういう2人の関係性を考えると、ネッドが最初に「エドワード2世」の上演を断る時に、ジョーンが代わりに断る理由を考えてそれをマーロウに伝えに来た事を「やるせないだけさ…」と哀しそうに呟いたマーロウの気持ちがより深く理解できます。

 

そしてジョーンとマーロウとの関係性は、シェイクスピアとマーロウとの関係性より深く描写されているんじゃ?と感じるくらいに「フクザツ」ですよね。

恐らく多くの八乙女担が、ジョーンに感情移入しながらマーロウを見守っているんじゃないでしょうか笑

まずマーロウは史実上も同性愛者だったと言われていますが、この舞台において マーロウが同性愛者というのは、ジョーンやヘンズロウの台詞で明かされるだけで、マーロウ自身の行動には、男に興味があるような描写は全く無いんですよね。だからこの舞台でマーロウが同性愛者である意味は「ジョーンの家に寝泊りしているけど、そういう関係じゃないからね」っていう、周りへの説明材料でしかないんです。

そして、マーロウが男に興味があるように見えないからこそ、観客は、ジョーンとの関係は、本当の本当の本当のところはどうなの?!!という感じになります。

シェイクスピアも最後まで納得いってなかったですよね。マーロウとジョーンの関係は「一目瞭然」のはずなのに、なぜマーロウはジョーンとネッドの結婚を許したのか。

呑んだくれたマーロウが、シェイクスピアに連れられてジョーンの部屋に帰って来た時、ジョーンは、マーロウに心を許せる友人ができた事を心から喜んでいました。

ジョーンが、お皿の割れ目の話をしながら、酔い潰れて寝てしまったマーロウに愛おしそうに毛布をかける姿も印象的です。

そしてマーロウの身を案じて、フライザーとの関わりを何とか断ちたいと思っているところも。

このように、ジョーンからのマーロウへの想いは、その行動や言動の端々から溢れるほどに伝わって来ますが、マーロウからジョーンへの想いは言葉としては全く語られていません。

でも、マーロウの表情からは「一目瞭然」で伝わってくるんです。

偽金製造機騒動で「本当に2人でスイスに逃げようよ!」とジョーンから提案された時、ジョーンを見つめ一瞬迷って「つまんなそうだから辞めておく」と答えたマーロウ。その時の一瞬の表情が、自分の望むような生き方ではないけれど、そういう幸せも2人ならあるかもしれない、と考えているように見えました。(私には)

それから、不承不承で書かされた戯曲「パリの虐殺」が不発に終わり、マーロウが居酒屋で新作を書いている時に、居合わせた客がジョーンとネッドの結婚の話をし始めた時の殺気だったマーロウの目も、ローズ座で落ちぶれた姿でひっそり佇むマーロウが久々にジョーンを見た時の表情も、マーロウって本当にめちゃくちゃジョーンのこと好きなんじゃん!!っていう顔をしてるんです。

ローズ座で3年ぶりに再会したジョーンとマーロウが見つめ合うシーン。マーロウがジョーンに「亭主が呼んでるぞ(だから早く行け)」という台詞が本当に切ないですね…。

ジョーンが結婚した後もマーロウの為にそのままにしておいた部屋を、マーロウが「抜け殻」と表現したのは、この部屋は、ジョーンが居なければ何の意味も持たない、と思っているからでしょう。

でも、2人は結婚っていう形で幸せになる関係ではないんですよね。

それはマーロウ自身もジョーン自身も良く分かっている。

うーん、本当にフクザツだけど、でも、本当に素敵な関係!!

 

あれ、ネッドとジョーンだけでこんな長文に……

これから肝心のシェイクスピアとのやりとりも、フライザーとの印象的な場面の事も書きたいのに……笑 むしろそっちの方が比重が大きいのに……笑

 

という訳で、幸運にも、本日6/8公演も入る事が出来たので、ストーリー的な感想はまた、今日の観劇後に綴ることにします!

 

マーロウってすぐに激情するから常に怒っているような印象ですが、本当にどの登場人物とのやりとりとりでも感情が目まぐるしく変わっているので、膨大な台詞の中でその感情の変化を繊細に丁寧に演じている光くんって、本当に本当に素晴らしいとな、毎回思います。

 

昨日は、カーテンコールで、目の前に光くんがいて、下から光くんの表情を見上げていましたが、本当に晴れ晴れとした顔が印象的でした。心から、やりきった!って思ってる顔でした。

私が前回見た29日と30日のカーテンコールでは、最後に金貨をかじって落とすまで、ずっとマーロウを引きずっているように見えたので、カーテンコールでは、実はこの晴れ晴れとした顔が見れたら正解(?)なのかな。

いや、正解なんてわからないけど、私はまた、終演後にこの顔が見たいと思いました。

とにかく、自分自身が納得するマーロウを演じ切って、自信に満ちた顔でカーテンコールに立つ光くんが最高に最高にカッコ良かったです。

今日の終演後にも、この顔がまた見れますように!!

 

 

追記

私が書いた台詞は、実際に登場人物が喋っている台詞とは違います。あくまでニュアンスで伝えているので、ご了承ください。(3回観ても私の記憶力では覚えられません。)