You are my light

八乙女光くんを応援しています

薔薇と白鳥 おまけ

6月23日の薔薇と白鳥を見てからオタク産休に入った私ですが、昨日は大千穐楽ということで、ずっとレポをリアルタイム検索していました。

 

みんなとても満足そうにキラキラした感想を綴っていて、大成功の千穐楽になったんだと確信したし、幸せな空気感が伝わってきて、レポを見ているだけで本当に嬉しくなりました。

 

観客を巻き込んで「薔薇とー」「白鳥ー」のコール&レスポンスで終わったという大千穐楽のカーテンコール。光くんは、カンパニーと観客と皆んなで作り上げた舞台だという事が伝えたかったんでしょう。光くんらしい素敵な提案にほっこりしました。

そして挨拶で泣いてしまった雄也と、それを明るくフォローした光くん。感情が昂ぶっているはずの千穐楽でも、瞬時に自分の取るべき役割を察知して行動できる光くんは本当に誇らしい立派な座長になったと思います。

 

 

 

 

4年前、光くんの初主演舞台「殺風景」を観に行ったとき、私はFC会員ではありませんでした。

2012年から光くんの事は好きだったけど、いい歳してジャニーズのファンクラブに入るのは抵抗があったし、お茶の間で応援していればいいと思っていました。

光くんの初主演舞台、しかもBunkamura25周年記念で任された舞台、その輝かしい舞台は、紛れもなく最高のものでした。

光くんの演技も、舞台にかける情熱も、大きなプレッシャーと戦いながら必死に努力し続け乗り越えていく姿も、その全てに本当に感動しました。

それなのに、そんな素晴らしい舞台の客席が埋まらなかったことが悔しくて悔しくて、私はFC会員になりました。

また光くんに舞台に立ってほしいから。大好きなお芝居を続けてほしいから。

 

もちろん、私なんかが数名義FC登録したところで全然力にはなれないけど、でも、光くんの演技に感動して、光くんのお芝居をもっと見たいと思っている人がいるという事実を知ってほしい。

とにかく次は絶対に絶対に客席を埋めるから、もっと光くんにお芝居をさせてほしい。

 

そう願い続けて4年間、本当に本当に長かった…。

きっと光くんにとっても…。

 

殺風景後、オフの日があれば色々な舞台を観劇して勉強していた光くんが、変わりゆくグループ内での自分の役割を意識して「バラエティおじさんになる」と決意し、お芝居への想いを諦めようとしていたと知った時は、泣きそうなくらい悔しかったし、無理している光くんを見るのも辛かったです。

OTT発売&10周年インタビュー時のWS(2017.3.2キャッチ)で、光くんが「ドラマをやりたい」ってアピールしても、周りからは「いやいや あなたはバラエティ班だから」って言われるのが悩みと言っていたエピソードを聞いた時は、所属タレントの適正とそのファンのニーズも見抜けない事務所スタッフ達は相当な無能集団だな!!と本気で憤りました。

その後、大ちゃん雄也と3人でドラマ孤食ロボットの主演が決まった時の雑誌では「バラエティ班なのに俺でいいの?」って驚いたという光くん…もう、すっかり自信を失くしてしまったような反応が、本当に本当に悲しかったです。3人主演の深夜ドラマなんかで(失礼w)驚くような人じゃないでしょ!!!光くんの演技力は相当な武器なのに!!!光くんくらい演技力があったら「馬鹿にすんな!」くらい言ってもバチは当たらないよ??!と。もちろん、そんな事言うような人じゃないから好きなんですけど。

(まぁ結果的に、この孤食ロボットをきっかけに、雑誌等でも、またお芝居をやりたいと素直に口にするようになってくれて良かったですけどね!)

 

そして、ついに掴んだ2度目の主演舞台!!

光くんの単独主演ではない事に対しては、正直、発表時はモヤモヤがありました。

光くん一人では客席は埋められないと言われているような気がして。

でも、今は、雄也と二人でやり遂げてくれて良かった、と心から思います。

ベテラン実力派俳優陣に助けられながら、1番演劇経験が浅い中で主演をつとめた4年前の殺風景。

今回も脇を固めてくれた俳優陣の力はかなり大きいですが、雄也と切磋琢磨しながら、リードしていく立場も経験できた(と思う)薔薇と白鳥。

4年前とは違った役割で主演舞台を経験できた事は、光くんにとっても新たな学びや刺激になったはずです。

 

薔薇と白鳥の公演が始まった当初は、ずっと応援しているだろう同担の方でさえ、光くんの滑舌を指摘して 矯正してるから云々とツイッターで語ったりしていたので、それには個人的にはすごくイラつきましたが(そういうアカウントは片っ端からミュートorブロックして心の平穏を保ちました )、最後の方は、そんな下らない論評をする人はいなかった気がするし(ミュートしてるから見えてないだけかもw)、そもそも光くん自身がその指摘を乗り越えて新たな表現方法を追求してくれたので、どや!見たか!!エセ評論家どもめ!!と、すごく爽快でした。 (性格悪いのは自覚していますw)

 

光くんは、どんな高い壁でも必ず乗り越えてくれるって、前回のブログでも書きましたが、今回は壁を乗り越えてたっていうより、壁を突き破ってくれたような、なんかそんな感じがしています。

とにかく何としてでも 納得のいくマーロウを演じたいっていう、光くんの意地を見せてもらったというか。

 

 

私もファン歴は浅いですが、特にファンの数が増えた2015年以降に光くんのファンになった方々は、殺風景の話を聞いても想像がつかなかったと思います。

どんなに光くんが凄かったと語っても、観てなければ伝わらないし、ファンだから話を盛ってるって思われていたかもしれないし。

でも、今回の舞台で、殺風景を観れなかったファンの人達にも、限界を超えて戦う光くんのお芝居の凄さを感じて貰えて本当に良かったな、と。

殺風景の話は嘘じゃなく、話を盛ってるわけでもなく、光くんは本当にお芝居を続けていくべき人なんだなと、薔薇と白鳥を観て心から感じてくれたらいいな、と。

そして、光くんの真剣勝負の演技をまた観たいと思ってくれたらいいな、と。

その気持ちが、声が、光くんの次のお仕事に繋がるはずです。

私も薔薇と白鳥の舞台レポが載った雑誌には、ハガキを送って地道に想いを伝えたいと思います。 

 

4年前よりもっとたくさんの証言者がいるから、きっと大丈夫。

ひかちゃんマグカップが売り切れた今、席が埋まらないなんて心配も無用なはずです。

 

どうか、またすぐ次に繋がりますように。

 

光くんと連絡先を交換した赤堀さん、そろそろスタンバイをお願いします!

 

 

 

 

 

以上おまけ更新でした… 

薔薇と白鳥⑤ 6月23日マチネ

 

6月23日 マチネ…

 

とうとう来てしまいました私的ラストの薔薇と白鳥。

 

家からグローブ座に着くまでに感じた気持ちすら大切にしたくて、全ての感情を覚えておきたくて、今日はずっと神経を研ぎ澄ませて過ごしました。

 

ブログやツイッターの文章しか見てない方には伝わっていないかもしれませんが、私は人前で感情を出すタイプではありません。

心の中では色んな感情があっても、それを素直に表に出すのは苦手なので、基本的に冷静な人間だと思われていると思います。

中学生の頃、仲のいい友人に「まっちゃん(私)って、私のお葬式でも泣いてくれなそう」って言われたくらい…笑(さすがにそんな非情な人間ではないですが!!)

コンサートで声を出すのも苦手で、どんなに興奮しても、グッと胸のうちに秘めてしまうし、本当にいつも、ストーカーチックに陰から光くんの活躍を見届けて満足しています。

 

だから、今日はまさか、そんな私が、いくら最後とはいえ、5回も観てきた舞台で、涙が止まらなくなるなんて思ってもみませんでした。

現場で泣いたのは初めての経験です。

今日は劇中から既に何度か泣きそうになりましたが必死で耐えていました。

でも、カーテンコールで光くんを見たら、あぁ本当に光くんってすごいなぁ。光くんを知って好きになって良かったなぁ。って急に涙が溢れてきて、でも拍手は止められないから涙を拭えなくて、泣きながら拍手を贈り続けました。

終演後、涙と鼻水を止めるためにトイレに駆け込んだら、安心感からか もっと涙が止まらなくなって、終いには嗚咽を漏らすくらいで…。

あぁきっとトイレ並んでるだろうから早く出なきゃって焦りながら、もうお腹壊してう〇こしてる人だと思われたらいっか、とか、なんかくだらない事を考えながら、とにかく必死に必死に涙を止めて、グローブ座を後にしました。

グローブ座からの帰り道は雨でしたが、泣いた後の顔を傘で隠せたので、雨が降ってくれて良かった~と思いながら駅に向かいました。

 

 

この涙の主成分はなんだったのか…

 

 

色々な想いはありますが、一番は、光くんのお芝居の変わり具合に純粋に感動したんだと思います。

 

私も含めて、複数回見た人が口を揃えて言う、光くんの演技の進化、いや深化。

15日ぶりの観劇で、それを今日は、これでもかっていうくらいに見せ付けられました。

 

あぁ、とうとう光くんがマーロウを操り始めたなって思いました。

最初の頃は制御しきれなかったマーロウの感情を 自由自在に操って、光くんはそれはもう生き生きと、すごく楽しそうにお芝居をしていました。

例えるなら、暴れ馬を手懐けて完全に乗りこなしているような、そんな軽快さでした。(え?この例え伝わる?)

そして、今まで言いにくそうだった台詞は、区切り方を変えたり、間をとったり、感情の表現方法を変えたりして、"光くん自身が"滑舌の事で指摘を受けるのをすごく気にしていて、試行錯誤を繰り返して克服したんだな、と思いました。

光くんの台詞回しで、今まで特に鬼門だったのは「ヘンリー6世」のトールボットをジョーンに説明するところ、「エドワード2世」のモーティマーの最期の台詞、同じく「エドワード2世」でフライザーと演じる劇中劇かなと思いますが、その全ての台詞回しが今日は完璧でした。ここの3つのシーンは、台詞自体が難しい上に、マーロウがかなり興奮して感情を昂ぶらせているので、台詞の聞き取りやすさと感情表現のバランスがすごく難しい場面だと思います。

(ただ、私としては、台詞の明瞭さだけが演技の善し悪しでは無いという考え方なので、総合的な表現方法では、ここの部分は前の方が好きだったな、とかそう言う個人的な好みはありますけどね。)

私が光くんのお芝居で、特に優れた武器になっていると思うのは、表情の演技、特に瞳の表情の演技です。そして間の取り方。この2つの武器が、多くを語らなくても、役の心情を伝えることができる光くんの高い表現力に繋がっていると思っています。

でも、正直、台詞の表現方法については、これまで そんなに注目していませんでした。

だから、この舞台での台詞量の膨大さや台詞の難しさは、光くんにとってはかなりの挑戦だったのではないかと思います。光くんのお芝居の武器の中では、比較的「弱い武器」でずっと戦っていかなければならないから。

その「弱い武器」を鍛え上げて、よくぞここまで来たなぁと思うと、本当にどれだけ努力したんだろう、この人やっぱりすごい人だな、と…。

光くんは、恐らく台詞の伝わりやすさを優先して、マーロウの感情の表現方法をどんどん変えていったと思うんですが、怒りの表現にこんなにバリエーションがあるのかって驚いたし、この台詞はこういうトーンに変えたら、こんな風にコミカルで笑いが起きる場面になるんだ!とか、光くんの表現方法の引き出しの多さにも感心したし、光くんの演じ方ひとつで、共演者の演技も観客の反応も変わっていくのを目の当たりにして、マーロウを操りながら、舞台を そして観客の心を操る光くんに 劇中何度も、すごい!すごい!すごい!って思いました。

 

光くんなら、どんなに高い壁でも絶対乗り越えてくれるって、薔薇と白鳥の感想ブログの初期の方でも書きましたが、本当に絶対乗り越えてくれるんですよ!!いつも期待以上の期待に応えてくれるんですよ!!!

 

もちろん、制作側はどんな公演でも一回で伝わる舞台を前提にしていると思うし、何度も何度も観て変化に感動するというのは、舞台本来の味わい方では無いかもしれません。

でも光くんがひかぺで苦悩を見せてくれたからこそ、この変化はより良いものを観てもらいたいっていう光くんの向上心と努力の結晶なんだと感じて、5月29日の初見の時点で既に私は充分満足していたのに、本当に今回の舞台では贅沢な楽しみ方をさせて貰ったなぁと思います。

 

 

マーロウは、型破りで自由奔放で口が悪くて喧嘩っ早くて、でも情熱的で詩人としての矜持があって人思い。

マーロウに対するキャラの認識は最初見た時から全く変わらないのに、どんどん光くん自身の人間性と融合して共鳴して深化していくマーロウ。

光くんが演じたマーロウは、本当にこういう性格で生きていたのかもしれない、そんな説得力があって、お墓も残っていないマーロウという天才劇作家がいた事を知ってもらいたいという光くんの想いは、十分すぎるほどに私の胸に響きました。

 

 

東京千秋楽にも、大阪公演にも入れないけれど、こんなに楽しませて貰って、夢のような1カ月間に、今 私は心から満足しています。

もう薔薇と白鳥を観れない寂しさはあるけど、マーロウの最期みたいに、私には思い残す事は何もありません。

 

 

そして、実は今週で妊娠32週を迎えた私は、これにてオタク活動も産休に入ります。

出産前に光くんの舞台が観れて本当に本当に良かった…。本当に本当に本当に…。

 

これからも、光くんが大好きなお芝居をずっとずっと続けられますように。

 

ずっとずっと応援しています。

 

 

 

薔薇と白鳥④ 6月8日

 

6/7のソワレに引き続き、2日連続で「薔薇と白鳥」を観劇してきました。

 

今回は1階席の6列目の真ん中あたりだったので、死角は全く無く、舞台全体がとても見やすい席でした。

7日は、最前列センターという座席に興奮し過ぎて普通の精神状態ではなかったので、今回みたいな席が、純粋にお芝居を味わうには丁度良い距離感かな、と思います。

 

光くんのマーロウに関しては、私の見た4公演の中では、今回の公演のマーロウが一番好きでした。

 

29日に初めて光くんのマーロウを見た時、マーロウは低めで野太い声が印象的だと思いました。

極端に言うと、光くんが、藤岡弘、さんのモノマネをしている時に出す声に似ていました。(そこまで低くはないけど、イメージは…)正直、地声の高い光くんには、出しづらい声だったと思います。

それが、6/7、6/8と公演に入って、1週間前と確実に違うと感じたのは、マーロウの声のトーンです。

特に6/8公演は、かなり光くんの地声のトーンに近づいてきたと思います。

 

マーロウの役作りの時「気性の荒い気難しいキャラ」として、低めの声が採用されたのかもしれませんが、今回のような声の高いマーロウでも全然良いと思いました。

特に1幕では、マーロウは、偽金製造機代を工面する為に、色々な人にお金を無心する場面があって、口が達者でお調子者っぽい発言を多々しています。

光くんがマーロウの声のトーンを変えた事で、そういった場面では、マーロウの「口が悪くて面倒くさいけど、どこか憎めない」感じがより強く伝わってきます。光くん自身が声を出しやすいからか、台詞にリズムが生まれ、マーロウの言葉がより軽妙に聞こえてくるんです。

そして、緊迫した話をしている場面では、光くんは、ちょっと声のトーンを落として、マーロウの言葉に重厚感を持たせようと意識している気がしました。

 

それにしても、声のトーンで、こんなにもお芝居って変わるもんなんですね!

最初に低めの声を出していたのは、光くんが地声のトーンでマーロウを演じると、愛嬌が出過ぎてしまって、シェイクスピアとのキャラの対比がぼやけちゃうと思われたのかなぁ?

でも、最終的にマーロウは、自分の命を犠牲にして、シェイクスピアとローズ座の人々と2000人の観客と演劇界の未来を救うスーパーヒーローですからね。

なんだかんだで、登場人物みんなから愛されていたと思うし、マーロウ自身もみんなを愛していたと思います。

そう考えると、声の高い今のマーロウの方が「毒舌で喧嘩っ早くて面倒くさいけど、でも意外とお人好しで愛嬌があって憎めない」感じが良く出ていて、光くんにしか演じられないマーロウになっているな、と思います。

 

いや~、公演に入る度に進化している光くんのお芝居が観れて、本当に幸せな事ですね。

毎公演毎公演、その時の100%で演じているからこそ、次の公演では更に成長しているし、進化しているんですよね。

こうやって変わっていって、1回として同じものはないから、舞台って何度見ても面白い!

もちろん1回しか観れなくても、その1回を十分に楽しめればそれでいいんですけどね!

 

 

さて、ここからは、前回の更新に引き続き、ストーリーに関しての感想を書いておこうと思います。

 

前回は、マーロウとネッドとジョーンの関係性を中心に書きましたが、今回は、まずヘンズロウとの関係を。

 ローズ座の劇場主であるヘンズロウは一言で言うと拝金主義の経営者。1幕では、人気劇作家マーロウの戯曲のおかげで、劇場収入もそこそこ良さそうですか、基本的には、マーロウとは水と油で全く意見の噛み合わない人物です。

マーロウとヘンズロウは話せば大抵喧嘩になるし、話しても分かり合えないまま終わる。マーロウがどんなに熱く作品について語っても、全然理解してもらえません。

その日暮らしで自由に生きる詩人と、現実的な経営者という、価値観が根本的に違う2人ですからね。

でも、お金にがめついヘンズロウが、ジョーンの結婚後も、マーロウの為にローズ街にジョーンの部屋を借り続けるのを許してくれたのは、やっぱりどこかでマーロウの事を気にかけてくれていたからでしょう。

価値観は違うし、性格は合わないけど、決してマーロウを嫌っている訳ではないんですよね。

ヘンズロウを演じる佐藤B作さんは、そのお芝居で物語にユーモアをプラスしてくれていて、ヘンズロウの出るシーンでは、大抵劇場に笑いが巻き起こります。

そして、余談ですが、終演後のカーテンコールで、B作さんが光くんの背中をポンって叩いて、2人で笑いあっている姿を見ると、4年前の殺風景のカーテンコールで西岡徳馬さんも同じ様に光くんを労ってくれたなぁと思って胸が熱くなります!

 

続いて、見どころシーンがたくさんある、マーロウとフライザー。

マーロウは自信家で、誰に対しても基本的に強気ですが、唯一敵わないと思っているのがフライザーでしょう。フライザーに対しても強気な発言はするものの、結局は従うしかない。マーロウの面倒くさい性格に、なんだかんだで大抵の人は折れてくれますが、フライザーには通用しないんですよね。

フライザーにジョーンとの関係を聞かれ、最初は「お前にだけは話したくない」と強気に突っぱねるマーロウですが、最終的には「プライド傷付くなぁー」と言いながら語らざる得ないシーンや、上からの指示に忠実なフライザーに「ストイックだねー」と軽口を叩いて一蹴されるシーンも、頑張って虚勢をはってみるけど結局は敵わないマーロウがちょっと雑魚キャラっぽくて微笑ましいです。

とはいえ、居酒屋で居合わせた客と喧嘩騒ぎを起こしたマーロウを助けてくれたり、マーロウが諜報員のターゲットにならないように釘を刺してくれたりするので、冷徹だけど、フライザーもやっぱりマーロウを気にかけてくれていますよね。

最終的にマーロウはフライザーに殺されますが、そこに「カトリック」が関わっていなかったら、フライザーもマーロウを殺す事はなかったのだろうと思います。

フライザーの行動基準は「カトリックの弾圧」が全てなので、そこを邪魔する奴は、例え誰であろうと容赦はしない。

だから、カトリック教徒の企むバーリー卿暗殺計画を事前に阻止しようとするマーロウに対して、「(カトリック教徒を一網打尽にできる絶好の機会を邪魔するのなら)例えお前の命であろうと、何とも思わない」と事前に忠告したんでしょう。

マーロウも、この言葉で、今度ばかりは、本当に命はないと覚悟したはずです。

雨の中、マーロウが苦悩するシーンは、表情と動きだけで表現されますが、ここの光くんの表現力が本当に素晴らしいので、ぜひ注目して欲しいです!

そして素晴らしいと言えばやはり、マーロウとフライザーの劇中劇ですね!

マーロウがフライザーに殺される前に、マーロウが書いた戯曲「エドワード2世」の中で、エドワード2世が家臣に殺される場面を、マーロウ(役の光くん)とフライザー(役の武田さん)が演じるシーンがあるんですが、エドワード2世(光くん)が死の恐怖に怯える表情や台詞の言い回しがめちゃめちゃ上手くて、毎回息をするのも忘れるくらい ぐっと引き込まれてしまいます。

エドワード2世(光くん)は、お尻の穴に熱した鉄棒を突っ込まれて壮絶な殺され方をするので、その後 実際にマーロウがフライザーに殺されるシーンは、随分シンプルだなぁ?と最初は思ったのですが、死の恐怖に慄く人と、満足の中で死を遂げる人の対比を描きたかったのかもしれないですね。

最後フライザーに殺される時のマーロウは、「アルプスまで足を伸ばすつもりだったのになぁ、ダメか」なんて、ちょっと笑顔で言いながら、全てを受け入れてる感じなんです。

その表情からは、死への恐怖を乗り越え、自分の命より大切だと思うものを守り抜いた満足感が伝わってきます。

フライザーは、そんなマーロウを無言でひと思いに剣で突き刺して殺すんですが、ここのシルエットが本当に美しい!!(不謹慎だけど)

フライザーが剣を突き刺す角度、壁を背にマーロウが目を見開いて突き刺されている表情、今でも思い浮かべられるくらい、鮮明に脳裏に焼き付くラストシーンです。(4回も見ればそりゃそうか…)

もしもストーリーの中で、マーロウが同性愛者っていう描写を入れるなら、相手はフライザーが適任かなぁ…なんて思うくらい、なんかこの2人のシーンは絵になるんですよね。(※私は腐女子的な感性は全くないので、あくまで個人的な意見です)

 

 

そして、最後になりますが、この舞台のメイン、マーロウとシェイクスピアの関係です。

持ち前の人懐っこさと愛嬌で、気難しいマーロウの懐に上手く入り込むシェイクスピア。初対面でも物怖じする事なく、マーロウにぐいぐい行くシェイクスピアと、そんなシェイクスピアを恐らくちょっと可愛いと思ってしまっているマーロウ。

初対面のシェイクスピアに「盗めるものなら盗め」なんて言って大事な大事な台本を渡すあたり、マーロウって何だかんだでお人好しですよね。

でも、シェイクスピアに才能が無ければ、マーロウが書いた台本をいくら読んでも、その技巧を盗む事はできなかったと思うので、結果的に台本を読んだだけでコツを掴んだシェイクスピアは天才だし、マーロウはそれを見極める為に台本を渡したのかもしれないですね。

そして、シェイクスピアが書いた「ヘンリー6世」を読んで衝撃を受けるマーロウ。

祖国イングランドの為に、勝てる見込みが無いのに孤軍奮闘でフランス軍と闘うトールボットと、そんな父に加勢する息子。結局2人は命を落とすのですが、マーロウは、そんな2人の台詞のやりとりに胸を打たれたとジョーンに素直に語ります。

そして早くもシェイクスピアの劇作家としての才能を認め、「(シェイクスピアは)新人でも後輩でも弟子でもない」「ライバルだ」と自覚するのです。

(因みに「ヘンリー6世」は、最近の研究でマーロウとシェイクスピアの共著であることが証明されたので、作品への関わり方は別としても、史実に基づいた設定ですね。)

 

その後マーロウは、シェイクスピアに触発されたものの、無理矢理題材を決められて書かされた「パリの虐殺」は不発に終わり、2幕では、マーロウとシェイクスピアの立場は逆転してしまいます。

この3年で、落ちぶれたマーロウと、成功したシェイクスピア

ローズ座のみんなは、シェイクスピアは有名になっても変わらないと言ったけど、マーロウだけは、シェイクスピアを変わったと言います。

自分が才能を認めたシェイクスピアが最近戯曲を書かなくなった事が悔しいのでしょう、敢えてシェイクスピアを挑発します。

「盗むものが無くなったから、書けなくなったんだ」「誰にも由来しない自分の中から湧き出るものが本当の言葉だ」

それに対し「3年も書けなかった人に言われたくない」と反発するシェイクスピア

この、マーロウとシェイクスピアの2人の劇作家の本音のぶつけ合いは、見どころの一つですね。お互いに刺激し合う関係になっているんだなあ、と言うのが伝わってきます。

最後にマーロウが「手に負えない事に直面してないか?」とシェイクスピアを心配するシーンは、マーロウのシェイクスピアに対する友情が垣間見えて素敵です。

 

そして、クライマックスは、バーリー卿暗殺計画を実行しようとするシェイクスピアと、それを食い止めようと説得するマーロウのシーン。

カトリック教徒であるシェイクスピアが、昔、親族がどのような弾圧を受けて苦しんだかをマーロウに語りますが、この時親戚が惨殺された方法を聞いて、ああこの舞台の冒頭で洗礼を受けている赤ちゃんはシェイクスピアだったんだなぁと伏線が回収されます。

シェイクスピアに拳銃を突きつけられながらも、マーロウは必死で説得します。「例え暗殺計画が成功して、ウィルが逃げおおせても、劇場で人を殺したら詩人として終わりだ」「ヘンリー6世を楽しみに来ている2000人の観客。ウィルが創り上げた夢のような空間を、お前自身が地獄の阿鼻叫喚に変えるのか」

それでもまだ葛藤するシェイクスピア。日本人にはあまりピンとこない感覚ですが、それくらいに、宗教とは絶対的な価値観になるものなんですね。

ただ個人的に何度見ても腑に落ちないのは、シェイクスピアの最終的な動機が「ジョーンの命を守るため」だったことです。

確かにシェイクスピアジョーンとそれなりに仲は良いと思いますけど、最終的な動機になるほど深い関係なんだろうか?と。

例えばシェイクスピアジョーンに対する恋心があったとしたら、そこはもっと細かく描いて欲しいし、ジョーンはマーロウとの絆の方が強く描かれているし、ネッドの妻だし、ジョーンがネッドじゃなくて、シェイクスピアと結婚してくれていたらまだ納得できるけど…。

それでもシェイクスピアが唯一本音を話している相手は、マーロウとジョーンだけだから、まぁジョーンが動機になったということでしょうか…。

あとは、カトリック教徒から裏切り者だと思われているジョーンが標的にされるのが、ストーリーの流れとして自然なのでそうせざる得なかったのかな…。

と、少し話は逸れましたが、最終的に「ジョーンも客席にいるから、合図を送ってしまえば、どっちにしろジョーンの命は助からない。」「合図を送らないでくれたら、後は俺が何とかする。」そう言ってシェイクスピアを説得したマーロウ。

最後に「命ある限り、戯曲を書き続けろ」と約束させます。「お前には俺を超える才能がある」「明るい人柄は喜劇を産み、カトリック教徒である事を隠し続ける苦難は悲劇を産む」「お前が創り上げた戯曲は全て、お前が生きた証になる」…台詞はニュアンスですが、マーロウの熱い想いに胸を打たれます。

マーロウが命を懸けても守りたかったもの。それは自分が認めたシェイクスピアの才能と、演劇界の未来なんですよね。

ここのシーンでは、シェイクスピアが汗だくで泣きながら葛藤しているので、終演後のカーテンコールでも雄也は汗だくです。その余韻がまた良いですね!

マーロウがシェイクスピアを説得し終えて去っていったあと、バーリー卿が来た事を確認し、合図を送るか迷っているシェイクスピア…そこに突然、劇場の天井から沢山の金貨が降ってきます。この謎の騒動で、公演は急遽中止になり、バーリー卿暗殺計画は失敗に終わるのです。

 

1幕を観ていた時は、偽金製造機なんて、なんでそんな訳の分からないものをストーリーの発端にしたんだろうってちょっと謎に思っていたんですが、最後の最後でその伏線が回収される訳です。

1幕でジョーンが「偽金製造機なんて何に使うの?」と聞いた時、「そのうち思い付く」「台詞と一緒で、ここ(頭の中)に眠らせておくのさ」みたいなことを言っていたマーロウですが、ここできたかー!!という感じですね!!

 

いや~、結果的にマーロウ天晴れ!!マーロウって最高に良いやつ!!もうすっかりマーロウ担!!

実際のマーロウがどんな人だったかは謎だけど、こんなヒーローだったとしたら夢がありますね。ちゃんとしたお墓もないマーロウにちょっと想いを馳せたくなります。

 

 

そんなこんなで4回目の観劇を終えましたが、私の薔薇と白鳥は、残すところあと1回。

 

当日券チャレンジは今後も地道に続けていきたいと思いますが、光くん、雄也、キャストの皆様、スタッフの皆様、カンパニー全員で、あと19公演、最後まで怪我なくやり遂げて欲しいですね!

薔薇と白鳥③ 6月7日ソワレ

 

最初に、今回のブログではストーリーのネタバレも含むので、これ以上読み進める方はお気を付け下さい。

 

 

マーロウの命日である5月30日のマチネを見てから約1週間…昨日は、私的3公演目のバラハクを観劇してきました。

 

ひかぺ以降、光くんのお芝居はどんな風に変化しているんだろう?!しかも2公演ある日の夜公演だから、コンディション的には疲労困憊のはずだけど、その中でどんなマーロウを観せてくれるだろう?!

と緊張しながらグローブ座に着きました。

 

いきなりプチ自慢すると、昨日は本当に人生に一度経験できるかどうかという、これ以上ない神席でした。

 

最前列のド真ん中。

 

…いや、そんな言い方じゃ生ぬるい。

もう私にとっては正に「センター・オブ・ジ・アース」でした。

 

本当に、マジでマジで本気で真剣で近い。

 

プチ自慢っていうか、既に私の人生における最大級の自慢になってますけど、目の前で、0ズレで自担のお芝居を観れるって、もうもうもう、あまりの興奮に、観劇中、マーロウより先に私が死ぬんじゃないかとヒヤヒヤしました。(でもマーロウが死因ならそれも本望)

 

光くんの大きくて美しい手の手相まで見えたし、実は左手の人差し指に絆創膏を付けていたのも見えたし、キャスト皆さんのつばきも汗も漏れなく見えたし、劇中に出てくるマーロウが書いた台本は青ペンで筆記体が綴られているのも確認できました。

 

そして何より、私が大好きな、光くんの「表情のお芝居」の本当に細部の細部までじっくり観る事が出来て、それが最高に、もう最高にめちゃくちゃに幸せでした!

 

映像作品なら、見せたい表情がピンポイントでドーンとアップになったりしますが、舞台はそうじゃない。

台詞を喋っていてもアップにはならないし、どんなに端っこにいても、舞台上では、その役の気持ちで表情を作っていないといけない。

光くんの表情のお芝居が大好きだからこそ、舞台って本当に贅沢だと思うんです。

舞台上にいる限り、光くんの演じる役の表情を観察できるから。

と同時に、ここではどんな顔してるんだろう?って自分の座席からは見えなくて、死角になってる時は、ものすごくもったいないことをしている気持ちにもなりますけどね。

 

今回の舞台は圧倒的な台詞量に注目されがちですが、ぜひマーロウの表情の細かい変化にも着目しながら味わってほしいです!(いや、言われなくても、このブログを読んでる方なら既に充分着目してますよね…笑)

 

というわけで、全35公演の11公演目、約1/3の公演が終わったので、今日はストーリーに関してもつらつらと感想を書いていきます。

 

まず、この物語の発端。マーロウが悪党達に偽金製造機を入手させ、その偽金製造機の購入代金を、その偽金製造機で作った偽金で支払ったのがバレて追われている場面。

ここでは、マーロウの調子の良いペテン師具合、それに呆れながらも手助けしてくれるジョーンとネッドの掛け合いから、この3人の関係性が良くわかります。

悪党達がネッドが人気俳優のエドワード・アレンだと知って興奮してる隙に、マーロウをこっそり窓から逃がそうとするジョーン。

マーロウが、悪党達に払うお金を貸してくれと頼むと「既にたくさん貸しているからもうこれ以上はダメだ」と断るネッドの台詞からは、ネッドもなんやかんや過去にはマーロウを結構助けてあげてるんだなっていうことが分かって、マーロウはめちゃくちゃな人っぽいけど、つい手を貸してしまうような憎めない人物なんだろうな、と思わせます。

そういえば、マーロウが最後に書き上げた戯曲「エドワード2世」を、最終的に託すのもネッドだし、実はネッドとマーロウは心の奥では信頼関係がきっとあるんだろうな。

ネッドでなければ、マーロウはジョーンの結婚も許してないのかもしれませんね。

そういう2人の関係性を考えると、ネッドが最初に「エドワード2世」の上演を断る時に、ジョーンが代わりに断る理由を考えてそれをマーロウに伝えに来た事を「やるせないだけさ…」と哀しそうに呟いたマーロウの気持ちがより深く理解できます。

 

そしてジョーンとマーロウとの関係性は、シェイクスピアとマーロウとの関係性より深く描写されているんじゃ?と感じるくらいに「フクザツ」ですよね。

恐らく多くの八乙女担が、ジョーンに感情移入しながらマーロウを見守っているんじゃないでしょうか笑

まずマーロウは史実上も同性愛者だったと言われていますが、この舞台において マーロウが同性愛者というのは、ジョーンやヘンズロウの台詞で明かされるだけで、マーロウ自身の行動には、男に興味があるような描写は全く無いんですよね。だからこの舞台でマーロウが同性愛者である意味は「ジョーンの家に寝泊りしているけど、そういう関係じゃないからね」っていう、周りへの説明材料でしかないんです。

そして、マーロウが男に興味があるように見えないからこそ、観客は、ジョーンとの関係は、本当の本当の本当のところはどうなの?!!という感じになります。

シェイクスピアも最後まで納得いってなかったですよね。マーロウとジョーンの関係は「一目瞭然」のはずなのに、なぜマーロウはジョーンとネッドの結婚を許したのか。

呑んだくれたマーロウが、シェイクスピアに連れられてジョーンの部屋に帰って来た時、ジョーンは、マーロウに心を許せる友人ができた事を心から喜んでいました。

ジョーンが、お皿の割れ目の話をしながら、酔い潰れて寝てしまったマーロウに愛おしそうに毛布をかける姿も印象的です。

そしてマーロウの身を案じて、フライザーとの関わりを何とか断ちたいと思っているところも。

このように、ジョーンからのマーロウへの想いは、その行動や言動の端々から溢れるほどに伝わって来ますが、マーロウからジョーンへの想いは言葉としては全く語られていません。

でも、マーロウの表情からは「一目瞭然」で伝わってくるんです。

偽金製造機騒動で「本当に2人でスイスに逃げようよ!」とジョーンから提案された時、ジョーンを見つめ一瞬迷って「つまんなそうだから辞めておく」と答えたマーロウ。その時の一瞬の表情が、自分の望むような生き方ではないけれど、そういう幸せも2人ならあるかもしれない、と考えているように見えました。(私には)

それから、不承不承で書かされた戯曲「パリの虐殺」が不発に終わり、マーロウが居酒屋で新作を書いている時に、居合わせた客がジョーンとネッドの結婚の話をし始めた時の殺気だったマーロウの目も、ローズ座で落ちぶれた姿でひっそり佇むマーロウが久々にジョーンを見た時の表情も、マーロウって本当にめちゃくちゃジョーンのこと好きなんじゃん!!っていう顔をしてるんです。

ローズ座で3年ぶりに再会したジョーンとマーロウが見つめ合うシーン。マーロウがジョーンに「亭主が呼んでるぞ(だから早く行け)」という台詞が本当に切ないですね…。

ジョーンが結婚した後もマーロウの為にそのままにしておいた部屋を、マーロウが「抜け殻」と表現したのは、この部屋は、ジョーンが居なければ何の意味も持たない、と思っているからでしょう。

でも、2人は結婚っていう形で幸せになる関係ではないんですよね。

それはマーロウ自身もジョーン自身も良く分かっている。

うーん、本当にフクザツだけど、でも、本当に素敵な関係!!

 

あれ、ネッドとジョーンだけでこんな長文に……

これから肝心のシェイクスピアとのやりとりも、フライザーとの印象的な場面の事も書きたいのに……笑 むしろそっちの方が比重が大きいのに……笑

 

という訳で、幸運にも、本日6/8公演も入る事が出来たので、ストーリー的な感想はまた、今日の観劇後に綴ることにします!

 

マーロウってすぐに激情するから常に怒っているような印象ですが、本当にどの登場人物とのやりとりとりでも感情が目まぐるしく変わっているので、膨大な台詞の中でその感情の変化を繊細に丁寧に演じている光くんって、本当に本当に素晴らしいとな、毎回思います。

 

昨日は、カーテンコールで、目の前に光くんがいて、下から光くんの表情を見上げていましたが、本当に晴れ晴れとした顔が印象的でした。心から、やりきった!って思ってる顔でした。

私が前回見た29日と30日のカーテンコールでは、最後に金貨をかじって落とすまで、ずっとマーロウを引きずっているように見えたので、カーテンコールでは、実はこの晴れ晴れとした顔が見れたら正解(?)なのかな。

いや、正解なんてわからないけど、私はまた、終演後にこの顔が見たいと思いました。

とにかく、自分自身が納得するマーロウを演じ切って、自信に満ちた顔でカーテンコールに立つ光くんが最高に最高にカッコ良かったです。

今日の終演後にも、この顔がまた見れますように!!

 

 

追記

私が書いた台詞は、実際に登場人物が喋っている台詞とは違います。あくまでニュアンスで伝えているので、ご了承ください。(3回観ても私の記憶力では覚えられません。)

薔薇と白鳥 ひかぺの件

当日券チャレンジに失敗し、次の観劇は7日なので、次回の観劇までに一度、気持ちの整理をしておきます。

 

マーロウの命日である公演で、納得のいく演技ができず、ひかぺで悔しさを綴ってくれた光くん。

私はその日の昼公演に入っていましたが、光くんが悔しいと思ったのは、どちらかといえば夜公演の方なんでしょうか。

確かにその日の公演は、台詞を噛んだり言い直したり、滑舌があまくて聞き取りづらかったり、台詞を飛ばしてしまったり、前日の公演より台詞のミスは格段に多かったな、と思います。

前日の29日はノーミスではなかったですが、あれだけの台詞量をあれだけの熱量で喋り続けられるのは本当に凄いな、と純粋に感動したので、少しくらいの台詞ミスは、私は全く気になりませんでした。

一方マーロウの命日公演は、台詞ミスこそ多かったものの、本当に熱量が凄すぎて、マーロウの感情は痛いくらいに伝わってきました。感情が先走り、台詞が上手く付いてこないもどかしさが、マーロウのイライラした気持ちにリンクして、本物の光くんまでマーロウに飲み込まれてしまったのかな…なんて思ったくらい。

 

光くんは、いつも、苦難に直面しても自分が乗り越えるまでは、ファンには話してくれません。

「あの時は実は◯◯だった」みたいに自分が乗り越えてからファンに報告してくれることはあっても、戦っていてる最中は、戦っていることを口にしない光くんを、私は本当に強い人だと思っていました。

でも、今回初めて、悔しさと戦う姿をファンにも見せてくれて、それくらい、光くんにとって今回の舞台は大きな壁なんだと、痛感しました。

きっと、ファンに宣言することで、退路を絶って、目の前の壁を乗り越える力にしようと思ったのでしょう。

今回の舞台が始まるまで、楽勝すぎて物足りなかったら嫌だなぁ、なんて考えていた私って本当に浅はか…笑

でも、やっぱり、高い壁を乗り越えていく光くんを見るのが大好きな私は、どこかでヨシ!ヨシ!と思ってしまいます(鬼)

だって、光くんは必ず乗り越えるまで努力する人ですからね!

 

 

とは言え、あんなひかぺを見てしまったら、その後の舞台の出来栄えはどうだったんだろう、と気になって、ここ数日それなりに検索していました。

マーロウの命日から休演日を1日挟んで、6月1日の公演は、見違えるように芝居が変わっていた、という感想を見た時は本当に安心したと同時に、やっぱり光くんは努力の人!本当に素晴らしい!と心の中で拍手喝采でした。

 

光くんは、役の感情になりきって演じるタイプだからこそ、今回のような気性の激しい役で、しかも膨大な量の台詞があると、感情と台詞のバランスを取るのが難しいんだろうと思います。

マーロウはとにかく激情の人なので、台詞を正確に言う為には、ある程度冷静になって役の感情をコントロールしなければならないでしょうし、かと言って台詞を意識し過ぎると、マーロウの感情が伴わず嘘臭くなってしまう。

マーロウの怒りや苛立ちを、怒鳴ることや声を荒げることで表現し続けると、台詞が回らなくなっていくでしょうから、感情の表現方法にバリエーションを付けることで、台詞を伝えやすくする工夫が必要なのかもしれません。

この、感情と台詞の黄金比を習得したら、光くんの芝居はまた一つ大きく成長するんだろうな、と思うと本当にワクワクします。

 

 

 

ただ、光くんの舞台の出来栄えが気になってツイッター検索をして思ったのが、滑舌に関しての感想の多さですね。

光くんの歯列矯正については、それだけを話題にしてブログを書いたくらいなので、光くんが矯正を始めたであろう2015.12月頃からずっと注目してきました。 

矯正していようとしていまいと、私は光くんに演技のお仕事を続けて欲しいし、演技のお仕事をしている以上は、プロとして、矯正を理由に芝居のクオリティを下げてはいけないだろうと思っています。

光くん自身が、歯列矯正をしていることをオープンにしていないのも、それを出来ない事の言い訳にしたくないからだと思うし、今回の舞台でも「矯正をしているから台詞が聞き取りづらいのは仕方ない」なんて、勝手にファンに同情されたくはないはずです。

例えば孤食ロボットの時は、敢えて舌ったらずなキャラクターとしてオットリを演じる事で、矯正をうまく利用していたと思います。

もちろん、マーロウは舌ったらずな役と言う訳にはいかないので、言い回しに苦戦する部分は、感情の表現方法を変えたりしながら、滑舌が~等と言われないテンポや声のトーンを見つけるしかないのかな、と思います。

矯正をしているからと言って、諦める必要は、絶対にないと思います。

だって諦めてしまったら、今度は本当に矯正が終わるまで、光くんのお芝居は見れないかもしれない。

それは、光くん自身も、ファンも望んでいないはずです。

 

私の中では、光くんのマーロウは、感情の部分では既に充分出来上がっていると思います。それくらい伝わってくるものがある。

後は台詞がより明瞭に伝わるように、その感情の表現方法を練っていってブラッシュアップしていくだけです。(いや、もちろんそんな簡単にできる事ではないですよ!!!)

ただ、台詞の聞き取りやすさだけがお芝居ではないですからね。

光くんは何といっても表情の演技がピカイチだし、所作が美しいし、そういう光くんの演技の長所にも目を向けて、全身で光くんのマーロウを感じてほしいなぁ、と。

そして何より、その日にしか生まれない役者同士の掛け合いが舞台の面白さですし!

 

と、色々書いてみましたが、この舞台を観てどう感じるかは、その人次第。

たくさんの人に楽しんで貰える舞台になってほしいです。そして、光くんのお芝居が1人でも多くの人に伝わってくれるといいな。

 

明日はまた休演日。光くんはきっと、時間を見つけて、明日も自分自身が納得できる演技を追求していることでしょう。

 

また、7日に、どんなマーロウに会えるか楽しみにしたいと思います。

 

 

 

薔薇と白鳥② 5月30日マチネ

 

光くんと雄也の主演舞台「薔薇と白鳥」、29日に引き続き、30日マチネも観劇してきました。※なんと5月30日はマーロウの命日なんですね!

 

 

開演前にロビーでひかちゃんマグカップを買うのはルーティン…笑

公演ごとに買い足して、売上に貢献する敬虔な八乙女担です。(マグカップは複数買いには向いてないので、売れ残りそうな気がしてならないんですよね…デザインはオッシャーですけどね!)

 

今回は、友人が一般発売で取ってくれたB席。3階からの観劇でした。

29日のFC枠の2階席から比べると随分と距離があるように感じましたが、2回目の方が理解度が上がっているので、より深くストーリーに入る事が出来ました。

 

1度観ている分、聞き流していたセリフの重要度がわかったり、あぁここでこんな伏線があったのね、という感じで、理解力のない私は複数回入る事ができて良かったです。

 

光くんのマーロウへの移入度は29日より深くなっているように感じましたが、もしかしたら私自身のストーリーへの理解度が深まっているのも要因かもしれません。 

 

 

 

まだ、公開4日目なので、ストーリーを含むネタバレは書きません。

私が今回のブログにとにかく記しておきたいのは、ツイッターでもつぶやきましたが、光くんの台詞に関するミスについてです。

 

マーロウは本当に膨大な量の台詞があります。普段物静かな光くんにとっては、恐らく一回の公演で、プラベでの会話の1週間分くらいは喋ってるんじゃないでしょうか。(いや、知らないけど笑)

 

あれだけ膨大な量の台詞を、怒鳴り口調で言い続けるのは本当に大変なことだと、一回でもこの舞台を観た人は容易に理解できると思います。

そう、この舞台を観た人なら。

 

確かに台詞を噛んだり、言い間違えたり、滑舌が悪るくて聞き取れなかったりは「ミス」である事には違いありません。

舞台に立つ人間としては、台詞を完璧に言えるというのは最低条件で、その台詞にどう感情を乗せていくか、そこからが芝居なんだろうと思います。

 

でも、それも分かった上で"それでも"ノーミスは本当に難しいだろう、と思ってしまうような圧倒的な台詞量なんです。

 

そして、ミスが多いからと言って、決してマーロウの感情が伝わって来ないという訳ではないのです。

むしろマーロウの感情が溢れて出てしまうからこそ、台詞のミスに繋がっているような気さえしています。

 

ただ、それは、実際に観た人にしか分からないし、単なる私の主観にすぎません。

 

ツイッターが怖いのは、発信者が本当に伝えたいであろう「主観」が他人には伝わらず、結果的に客観的事実である「ミス」だけが印象に残ってしまう可能性があるという事です。

 

『光くんの台詞の言い回しにはミスがあった(客観的事実)

でも、ちゃんとマーロウです(主観)』

 

舞台を観た人が伝えたいのは、主観の方ではないのでしょうか?

でも、残念ながらそれは、実際に感じた人にしか分からないし、他人には共感できないものなのです。

 

私は、光くんにずっと、大好きなお芝居を続けて欲しいと思っています。

もし台詞ミスのツイートが、舞台を観ていない人や観る気のない人から誤った解釈をされて、結果的に光くんの演技の評価下げ、演技のお仕事が遠のいてしまう事になったら嫌なんです。

 

とは言え、ミスがあるのも事実だから、そこが気になる、というのも一つの感想です。 

一つの台詞の言い間違いによって、ストーリーから現実に引き戻されてしまうこともあるかもしれません。

 

まぁ、それは、実際に観た人が、自分の心で判断してほしいと思います。

 

もちろん光くんも、完璧を求めて頑張っているはずです。

まだまだ変わっていくと思うし、成長していくと思うので、そんなに心配はしていません。(むしろ私はひかちゃんマグカップが売れ残る方が心配…)

私は、光くんに「ノーミスは無理だ」とは思っていませんし、光くんなら絶対にやってくれるはずだと信じています。

それこそ「ムキになって」、今だって人知れず必死に努力しているでしょう。負けず嫌いな光くんですからね!

 

 

 

さて、次回の観劇は1週間後…

また違った薔薇と白鳥を見れるのが楽しみです!

 

次の更新では、ストーリーに関しても書き残しておきたいなぁ。

 

薔薇と白鳥① 5月29日

 

公開から3公演目の本日、光くんと雄也のダブル主演舞台「薔薇と白鳥」を観劇してきました。

 

まだ公開して間もないので、ストーリーに関わる事は書かないつもりですが、感想も含めてネタバレが嫌な方はご注意下さい。

 

 

 

このブログを始めた頃から何度か言っていますが、私は光くんの演技を見て、光くんのファンになりました。

と言っても私は別に芝居に詳しいわけでも、特に興味があるわけでもないので、光くんの演技力が高いか低いかという話ではなく、ただ光くんの演技が好きなだけです。

 

光くんはとにかく役との向き合い方に誠実な人だと思っています。

演じる役の気持ちを自分の中で本当に理解できていなければ、その役を演じることにはならないと思っている…というか。

それが役者に向いているのか、向いていないのかはわかりません。

もし並行していくつもの役を演じているような売れっ子俳優なら光くんのやり方は限界が来るだろうし、小手先の技術でそれっぽく演じることが出来れば、観ている素人の大体8割方は騙せると思います。

でも、そういう嘘はつけない、不器用なところも含めて、私は光くんのお芝居が好きなんです。

光くんの演技は、気を抜いて観ることができなくて、本当に疲れます。

光くんが役の気持ちを必死に伝えようとしてくるから、こっちも真剣に応えないといけなくなる。

舞台観劇後のこの疲労感、4年ぶりに感じてきました。

 

きっと役作りに正解なんてなくて、役に入り込もうとすればするほど、悩んだり迷ったり分からなくなったりするもんなんじゃないかと思うんですが、でもきっとそれを楽しんでるのが光くん。

光くんが難しい役をやりたがるのは、それこそ本当に正解に辿り着けるか分からないからで、正解っぽいものに近付きたくて試行錯誤していく中で、自分が成長していく感覚が好きなんじゃないでしょうか。

 

私は、自分の限界範囲内頑張って、それなりの評価を貰えたらいいや、という生き方をしているので、敢えて今の自分のスキルを超えた事に挑戦しようというバイタリティはありません。

だから、光くんの、今の自分の限界を超えて自己を成長させていきたい、という向上心がすごく好きです。

 

佐藤B作さんが、ゲネプロの時に「光はムキになるところが素敵」と言ってくれていましたが、光くんの「負けず嫌い」は、相手に勝ちたいという意味での負けず嫌いではなく、自分に求められる・期待されているレベルを超えたいっていう意味での負けず嫌いなんですよね。

だから、光くんには、出来るだけ高いハードルを用意して欲しいんです。そしたらその分、光くんはそれを超えたくて努力するはずです。

誰かと比べるんじゃなくて、いつも自分自身と向き合って自分自身の限界と戦ってる。

私が6年間見てきた光くんは、多分そんな人です。 

 

前回見た光くんの初主演舞台「殺風景」が、相当ヘビーな舞台で、それこそ、高いハードルどころか、え?棒高跳びじゃん?!くらいの高さのバーを超えなきゃいけないような舞台だったので、私は正直、今回の主演舞台は、楽勝だろうなと思っていました。

 

舞台初挑戦の雄也とダブル主演だし、G2さんはとても優しそうでジャニーズタレントとの舞台経験も豊富だし(赤堀さんがどうのって言うわけではなくw)、マーロウという役柄も、破天荒で感情の起伏が激しそうだから光くんの性格とはかけ離れてるけど、まぁ場当たり的に隣人一家を殺すような犯罪者よりは演じやすいだろうな、と。しかも殺風景の時は稔と若き日の国男の二役を演じてたわけですし。

注:私は光くんが高い壁を超えていく事にとても興奮するので、(自分は何もしないくせに)もっともっと!と思ってしまう強欲BBAです。

そして光くん自身も"もっと高い壁を超えたい!高ければ高いほど燃える!"って思っていそうなので、私の欲望という以上に、4年ぶりの待望の舞台を光くん自身が物足りないと感じなければいいな、と思っていました。

 

 

でも、蓋を開けてみれば、光くん、本当に今回も相当苦労したと思います。

マーロウのえげつない台詞量。しかも淡々と話すわけではなく、7割くらいはイライラして怒鳴っている。

正直、マーロウの台詞量が半分になっても、ストーリー的には全然通じるとは思います←笑

でも、この長台詞自体が『イギリス王朝時代の天才劇作家クリストファー・マーロウ』のキャラクターを表現しているとも思うので、避けては通れない重要なファクターなんだろうな、と。

正直、一回の観劇では、全然台詞は追い切れず、流して聞いてしまうところも多々あります。

観ている側がそうなのだから、一つ一つの台詞に気持ちを乗せて演じようとしている光くんはもう相当に相当な努力を重ねたんだろうな、と。

台詞自体もヨーロッパが舞台だからカタカナが多いし、劇作家の役だから文学的な言い回しが多いし、光くんの様に役の心情に入り込んで演じるタイプには相当キツイんじゃないかな。だって、心情的にはマーロウと同じ気持ちだとしても、口から出す台詞は、自分が普段全く使わない様な言葉なんですから。

 

3日目の今日の段階で、光くんが台詞を噛んだり、聞き取りづらかった部分は恐らく4~5箇所くらいありましたが、私的には全然気にならなかったし、ずっと完全にマーロウでした。

何ならカーテンコールでもずっとマーロウっぽくて、3回目のカーテンコールの最後の最後で、小道具の金貨を噛んで投げた部分でやっと「光くん!!お帰り!!」と思いました。

ただ台詞を大事にしている"劇作家"の役を演じる上で、膨大な量の台詞の例え数箇所でもミスをしてしまったことは、光くん自身とても悔しいと感じているでしょう。

 

でも、この難役をやりきったら、また光くんは大きく成長するんだろうな、という期待感と確信があります!!

 

なんだか結局感想という感想ではないですが、私的「薔薇と白鳥」は、残すところあと4回!!(※今のところは)

これから光くんが、この舞台が、どう進化していくか本当に楽しみです!!